研究課題/領域番号 |
19592404
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 登志子 岡山大学, 医療教育統合開発センター, 助教 (10304320)
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研究分担者 |
仲井 雪絵 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70284073)
下野 勉 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40028783)
鳥井 康弘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (10188831)
白井 肇 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00263591)
小川 哲次 広島大学, 大学病院, 教授 (50112206)
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キーワード | シミュレーション / 模擬患者 / 医療教育 / 養成プログラム |
研究概要 |
模擬患者参加型のシミュレーション教育は、医療従事者の対人コミュニケーション能力と問題解決能力を養う有用な教育方法である。しかしながら、その普及は十分とは言えない。その原因として、人的資源として必要な模擬患者(以後、SPと記す)の養成方法が示されていないこと、SPの人数が不足していること、物的資源としてのSPのシナリオを含めた症例の開発が不十分であることなどが起因している。そこでこれらの問題を解決すべく本研究では、1.人的資源と物的資源を開発、バンク化し、2.複数の教育機関で共有利用するネットワークを構築し、3、その有用性を検討することを目的とした。 平成19年度はまず人的資源であるSP養成を実施し、その養成プログラムの妥当性を吟味することに着手した。岡山と広島の2つの地区において、SP養成講座を実施した。岡山では受講者28名のうち、講座のすべてのプログラムを終了したのは14名であった。また広島では受講者4名全員がすべてのプログラムを終了した。 さらに、この養成講座のプログラムの妥当性を検討するために、プログラムの前半において受講者に客観的臨床能力試験方式の医療面接を実施し、受講者の演技の正確性とフィードバック技能を評価した。歯学部学生3名が歯科医師役となり、受講者はこの3名のいずれかと医療面接(1症例)を1回行い、フィードバックを記述した。承諾の得られた23名の結果を分析に用いた。歯科医師役は19の質問をするようにトレーニングされた。19の質問に対する特徴的な応答箇所の正確性とフィードバックの妥当性を評価した結果、演技の正確率は76.1%であった。また、フィードバックとしては適切ではないコメントが述べられており、プログラム前半においては受講者の演技の正確性とフィードバックが未熟であることが示唆された。次年度ではこの前半の結果と終了時の結果とを比較検討する予定である。
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