研究課題/領域番号 |
19592412
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
小沢 章 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (30445598)
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研究分担者 |
村田 尚道 昭和大学, 歯学部, 講師 (10407546)
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
石川 健太郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (80453629)
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キーワード | 嚥下補助床 / 摂食・嚥下障害 |
研究概要 |
本年度は、十分な説明の後に本研究への参加に同意の得られた介護老人保健施設利用看8名(男性2名、女性6名、平均年齢歳)を対象とした。対象者の選定に当たっては、歯科医師が嚥下機能のスクリーニングを行い、プリンの嚥下に問題のないと判断された者とした。 初年度の実績から同部位に小型圧センサを埋め込んだ咬合高径の異なる2種類の研究用SAを作製し、最大圧および作用時間について検討を行った。研究用SAの咬合高径は通法によるものと、通法から5mm下げたものとした。 8名の対象者のうち2名においては通法にて作製したSAにおいては嚥下が困難であり、危険と判断されたため、6名のデータにて検討を行った。 危険と判断された2名においては、通法にて咬合高径を設定したSAの装着が困難であった者1名と通法によるSAの装着は可能であったが嚥下動作が困難であった者1名であった。なお、咬合高径を通法より5mm下げたSAでは2名ともにプリンの嚥下は可能であった。 嚥下の口腔期における食塊移送の様子を表すとされる正中線上に設定した各センサに注目すると、前方部(切歯乳頭後方)では、6人の被験者のうち4名において、最大圧の増加が認められた。しかしながら、舌口蓋接触時間においては増加したものは3名であった。同様に中央部、後方部においても、4/6および5/6の割合にて最大圧が増加しているものの、舌口蓋接触時間では減少する者が半数以上存在した。 側方部では、左右とも咬合高径の低下に伴い、最大舌圧は被験者全員において増加する傾向を示した。 舌口蓋接触時間では、増加する者と減少する者の割合が、半数ずつであった。 以上の結果から、嚥下機能の低下した高齢者においても咬合高径の低下による嚥下時の舌圧および舌口蓋接触時間は、後方部においてその影響は受けやすいことが明らかとなった。
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