研究概要 |
1、前年度までの調査から,市町村歯科保健事業のうち齲蝕予防処置と歯周疾患検診については,歯科診療所での委託実施が望ましい回答が多数得られた.このため,本年に両事業の実施状況について市町村直轄実施と委託実施に区分して調査した.直轄では住民の費用負担が少ないが実施日が指定日だけで,委託では負担が多いが期日を選択でき,それぞれ長所短所がみられた. 2、今後の歯科保健事業のあり方について,平成19,20年度に協力いただいた市町村で歯科保健を担当する歯科衛生士と保健師に自由回答で意見をいただいた.この結果も踏まえ,本研究の成果をまとめた.(1)今後の施策は,疾病予防・早期発見から健康保持増進に変更し,口腔機能と心身の健康をつなげていく.生活に密着し生涯にわたり文化的な生活を住民主体の施策を住民の必要度をもとに進める.(2)直轄実施の事業は住民の利便性を考慮のうえ実施方法を検討したうえで実施し,歯科診療所での実施が効果的な事業については財政事情を考慮して委託する.(3)歯科衛生士の配置が少なく保健師が中心となり事業を担当している市町村が多い.保健師の歯科保健技能,歯科衛生士の企画力などについて保健所の支援が必要である.また,相談指導にあたる地域歯科医師会が時代に合致した地域保健のあり方について理解する必要もある. 3、研究最終年度であるため3年間の成果を,成果報告(概要報告),調査研究の着眼点・方法,調査項目,主要結果,今後の事業の方策検討と提言,資料(単純集計結果)として,CD-ROMにて作成した.また,本報告書11および12に示すように,研究成果2編と学会発表1回を行った.
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