研究課題/領域番号 |
19592424
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
野戸 結花 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (80250629)
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研究分担者 |
廣田 和美 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20238413)
佐藤 哲観 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (30281934)
工藤 美穂子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30003411)
北島 麻衣子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (70455731)
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キーワード | マッサージ / 症状緩和 / 唾液中バイオマーカー / STAI-s / 唾液中α-Amylase濃度 / 唾液中CgA濃度 / 唾液中sIgA濃度 |
研究概要 |
以下の研究より、がん患者に対するマッサージの効果として、リンパ浮腫の浮腫量の軽減やリラクセーション効果、免疫力促進効果が証明された。 (1) リンパ浮腫を有する進行がん患者への複合的理学療法(徒手リンパマッサージを含む)の効果を検証 : 平均患肢容積は7614±1075mlから6485±669mlに有意に減少(p<.05)、平均容積変化量は-1129±751ml、平均浮腫減少率は14.2±7.8%であった。片側性リンパ浮腫患者では平均患肢-健肢容積差は2636±883mlから1508±754mlに減少した。 (2) がん患者のリンパ浮腫に対するマッサージのリラクセーション効果の検討 : リンパ浮腫に対する徒手リンパマッサージ前後で、100mmVASストレス程度は11.8±9.3から2.4±5.8へ(p<.001)、収縮期血圧は123.8±13.9から116.1±12.5mmHgへ(p<.01)、心拍数は65.1±6.3から62.1±5.5回/分へ(p<.001)、唾液中α-Amylaseは204.19±110.59から167.48±71.58U/mlへ(p<.01)、それぞれ有意に減少した。唾液中CgAおよびCortisol濃度、拡張期血圧は差がなかった。 (3) がん患者へのマッサージの効果を検討 : 軽擦法中心の下肢マッサージ前後で、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数は有意な変化はみられなかった。ストレス程度は38.2±30.0から24.4±22.6(p<.01)へ、STAI-sは44.1±11.3から37.3±9.3(p<.001)へ有意に減少した。唾液中CgA濃度は6.16±6.73から8.29±8.51pmol/mg proteinへ、唾液中sIgA濃度は17506±104.4から233.8±151.2μg/mlへ有意に上昇した(p<.05)。唾液中α-AmylaseとCortisol濃度は有意な変化がなかった。
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