研究概要 |
平成19年度は、睡眠改善効果を検証することを目的に、リラクセーション法(腹式呼吸法)の有用性について基礎研究を行った。 健常成人を対象に、腹式呼吸法を実施する対象者(実験群)と腹式呼吸法を実施しない対象者(対照群)を無作為に振り分け、腹式呼吸法の有用性について検討した。対象者全員に連続10日間睡眠目誌の自己記入を求め、実験開始1.2日目および8.9日目の夜間は温度と湿度を一定に保った人工気候室に通常の就寝時刻±1.5時間に入室させ、通常の起床時刻±1.5時間まで過ごさせた。人工気候室では、客観的指標としてアクティブトレーサー(心拍変動)、BISモニタ(催眠深度評価)、アクチグラフ(活動計)による睡眠評価と、主観的指標として起床時にOSA睡眠調査票(MA版)への回答を求めた。人工気候室で過ごす日は、禁酒及び就寝時刻4時間以降のカフェイン摂取を避けることを指示し、それ以外は普段通りに過ごしてもらった。また、実験群には、実験開始3日目に腹式呼吸法の指導を行い、実験終了日まで1日3回腹式呼吸法を実施してもらった。8.9日目は実施後の感想等聴取した。 入院患者の睡眠トラブルは,入院前(疾病への罹患と治療方針が説明された時点)から発生していることが,筆者らの先行研究で把握されており,今年度の研究結果を基に,平成20年度は睡眠の改善プログラムを策定し,臨床における腹式呼吸法の効果を検証する予定である。
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