研究課題
本研究の目的は、平成17・18年度にかけて開発した看護倫理教育プログラム暫定版にもとづき授業を実施し、これら受講生の看護実習および卒業後の5年間にわたる倫理的推論能力の推移の実態調査を行い、並行して東アジア諸国でも共同調査研究を行って学部レベルにおける各国文化を反映した効果的な看護倫理教育プログラムを確立し、看護学教育に従事する教員との間で共有することである。受講生のうち本研究への参加に同意した延べ12名の看護実習および卒業後の3年間の実態を追跡するため、面接調査を行った。その結果、対象者は、卒業後の臨床現場で、その医療組織における価値に戸惑いながらも自己の倫理的判断をもつがゆえに葛藤状況にあるという実態が浮き彫りになった。また並行して、東アジアにおける看護基礎教育に関する意見交換を行い、プログラムの交流に向けて英語冊子刊行の準備をした。