研究概要 |
本研究は将来的には患者や在宅における要介護者への看護ケアのひとつとして,ハンドマッサージをより効果的に実践することを目標としている。血圧などの循環器疾患患者にリラクセーション訓練を実施する際には医学的注意が必要とされているが,これまでの健康な高齢者および高血圧罹患者における研究結果より,ハンドマッサージのリラクセーション効果のみならず,安全性も明らかにすることができたと考えている。 本年度は,より効果的なハンドマッサージの実施方法として,看護実践場面で日常的に実施されている足浴との組合せによる相乗効果を明らかにするため,健康高齢者を対象として〔ハンドマッサージのみ〕〔足浴のみ〕〔足浴中ハンドマッサージ〕のリラクセーション効果を自律神経活動および心理面から比較検討を実施した。予備実験をふまえて立案した実験計画に基づき,対象者13名に実施した。しかし対象者のほとんどが農業を営んでいたため,農繁期を避けての実験実施となり,予定よりもデータ収集に時間がかかりデータの分析が終了したところである。現在学会発表(第30回日本看護科学学会学術集会に発表予定)及び論文作成作業を進行中である。 分析結果より,現在〔ハンドマッサージのみ〕と〔足浴のみ〕に比べ,〔足浴中ハンドマッサージ〕の心理的リラクセーション効果は大きいことが明らかにできた。自律神経活動によるリラクセーション効果の評価は,さらに検討を行っている。また,〔ハンドマッサージのみ〕と〔足浴のみ〕との比較,その結果をふまえての〔足浴中ハンドマッサージ〕のリラクセーション効果についても検討している。
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