本研究の目的は、入浴のタイミング(睡眠30分前の10分間の入浴、睡眠1時間前の10分間の入浴、睡眠2時間前の10分間の入浴)が睡眠に及ぼす影響は明らかにすることである。 被験者は健康成人12名とし、夏季に室温27℃の環境下で、睡眠30分前の10分間の入浴、睡眠1時間前の10分間の入浴、睡眠2時間前の10分間の入浴の3条件を、実験日を変えて同一被験者に実施させた。測定は、多用途テレメータを用い、脳波(C3、C4)オトガイ筋の筋電図、眼電図、心電図を導出し、安静時から自然覚醒するまで測定した。また、鼓膜温を入浴直前、入浴直後、就寝直前、就寝直後に測定した。主観的感覚としては、OSA睡眠調査票を用い評価した。 12名中6名の解析結果は、Stage3、Stage4は3条件下で有意差(p<0.05、p<0.01)があり、睡眠2時間前が最も多かった。また、LF/HFも22:00〜23:00と3:00〜4:00に3条件下で有意差(p<0.05)があり、唾眠2時間前が最も低かった。OSA(主観的睡眠感)の5つの因子は3条件下で有意差(p<0.05〜p<0.005)があり、睡眠2時間前が最も良かった。以上のことから、12名中6名の解析では、3条件下では睡眠2時間前の10分間の入浴が最も質の良い睡眠をもたらすことが明らかになった。
|