20年度は、以下の通り、本学4年間の学年別到達目標を明確にし、これらに準拠した看護実践能力育成に向けた客観的臨床能力試験(OSCE)を1〜3年次生に実施した。 1.本学4年間の学士課程における「看護実践能力の育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標」を一般目標と行動目標に分けて各学年別に明確にした。さらに、育成される看護実践能力の技術項目についても同様にどの学年で修得するのかを明示した。 2.本学は平成18年度開学のため、20年度に在籍していた1〜3年次生に対してそれぞれ学年末にOSCEを実施し、学年ごとの実践能力到達度を評価した。OSCEの課題は、到達目標や教授内容との整合性を確認した上で作成した。また、OSCE実施に不可欠な模擬患者養成を行い、シナリオにそったトレーニングを実施した。 3.OSCE評価結果は、次年度の課題作成や各専門領域における演習等の教授内容・方法に反映されるよう、継続的に検証作業を行っている。 4.終了後の学生インタビューとアンケート、教員対象のアンケート調査から、学生や教員にとってOSCEの実施は教育上有意義であると答えた。とくに模擬患者や評価者からのフィードバック、ならびに試験当日中に返却される評価表や総評は、学生の学修効果やさらなる学修の動機付けとなっていた。平成21年度は、これまでの分析結果より、OSCEによる看護実践能力評価について検証し、新たな看護学技術教育に向けた提言を行い、1〜4年次のOSCE課題・評価項目・評価基準を作成し、年度末にOSCEを実施する。
|