研究課題/領域番号 |
19592453
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
塚本 尚子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40283072)
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研究分担者 |
野村 明美 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10290040)
根本 明宜 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20264666)
有澤 博 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (10092636)
山本 敬子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70269380)
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キーワード | 看護技術 / 移動動作 / 3次元解析 |
研究概要 |
移動・移乗技術は、重要な看護技術であるが、入院期間の短縮化や在宅介護の増加を考えると、今後は専門職のみでなく誰もが安全で効果的に使用できる技術へと転換していく必要がある。しかしこれらの技術は、明確なエビデンスを欠いていた現状がある。そこで本研究では工学部と連携して、エキスパート看護師と初学者の移動動作の違いを明らかにすることを目的として研究を実施してきた。人間工学分野では、立ち上がり時における重心動揺や主観的・定性的な評価、簡易な力学評価が行われているものの、力学評価では動作を2次元とみなしていることや、評価が局所的であることなど、人体の特性を十分に考慮していないという問題があった。人体の動作を十分に表現できる3次元人体モデルを用いた負荷評価、動作解析のためには、これまでよりもより重層的なモダリティを取り入れた評価システムの構築が必要となる。そこで今回、画像情報、距離情報、心電位、筋電位、血中の酸素飽和度測定などの体内情報、床反力、体重・重心位置、体圧分布などの力学情報を同期させ組み合わせて用い、動作の解析を試みてきた。これまで、介護の未経験者と経験者の比較、介護の経験者と初学者および看護師との比較、看護師とエキスパート看護師との比較を行ってきた。また、これらのエキスパート看護師の移動技術が一般高齢者にも汎用性があるかどうかを確認する目的で、70歳以上の高齢者5名を対象として、同様の実験を実施した。これらの成果から、エキスパート看護師では第5腰椎にかかるトルクが小さく、圧迫力が大きく、せん断力が小さいことが明らかになってきた。今後、最適動作の設計等を考える場合には、負荷が多くかかっているときの各計測機器の値や姿勢を検証することで負荷の少ない動きを考えることの必要性が示唆された。
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