研究課題/領域番号 |
19592456
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (00259194)
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研究分担者 |
中岡 亜希子 千里金蘭大学, 看護学部, 助教 (60353041)
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キーワード | 臨床学習環境 / メタ認知 / 教育デザイン / 看護実践能力 / 看護学実習 / 教育評価 / クリティカルシンキング / 社会システム |
研究概要 |
本研究の目的は、臨床学習環境と医療・看護システム、教育・研究システム、情報・管理システム、実践・協働システムとの関係を明らかにし、臨床教育のインストラクショナルデザインに資する形成的評価を検討することである。 1. フォーカスグループインタビュー調査の実施 臨床学習環境におけるメタ認知的活動を探究するため、看護大学生4名、看護教員4名、実習指導者4名を参加者とし、模擬的風土、探究的風土、習熟的風土についてインタビューを実施した。現在、収集したデータを逐語録に起こし、分析を行っている。 2. 臨床学習環境と看護実践能力に関する質問紙調査の分析 1) 看護学生(大学208名・専門学校317名)、看護教員(大学145名・専門学校110名)、実習指導者120名を対象にClinical Learning Environment Diagnostic Inventory(CLEDI)の確認的因子分析を行い、CLEDIの汎用可能性が示唆された。学生と教員で比較し、大学では感覚的CLE、象徴的CLE、行動的CLEで教員が有意に高く、専門学校では有意差を認めなかった。看護学生のCLEDIと看護実践力尺度ではほとんどの下位尺度間で有意な相関を認めたが、クリティカルシンキングの能力や傾向、感情労働、学習活動のメタ認知では一部の下位尺度間で有意な相関を示した。その結果、臨床学習環境の特性や要因が明らかになった。 2) 研究の概念モデルにおける看護実践能力の指標として日本語版Nurse Competence Scale (NCS)の信頼性・妥当性を確認し、その特性を検討した。NCSと看護過程展開能力との関係にっいて看護師370名を対象に分析し、看護過程展開能力の全下位尺度とNCSの援助役割、指導/コーチング、診断機能で中程度の相関を認めた。新人期の看護師98名を対象にNCSと一般性セルフ・エフィカシー尺度(General Self-Efficacy Scale: GSES)との関係を分析し、GSESの能力の社会的位置づけとNCSの教育/コーチング、援助役割、質の保証、GSESの行動の積極性とNCSの仕事役割で低い相関を認めた。以上より看護実践能力に関連する特性が示され、今後の臨床教育に有用な基礎的資料を得ることができた。
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