研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、メタ認知の発達を支援する臨床学習環境のデザインを探究すべく、臨床学習環境と医療・看護システム、教育・研究システム、情報・管理システム、実践・協働システムといった社会システムに含まれる要素との因果関係を明らかにし、その知見をもとに臨床教育のインストラクショナルデザインに資する形成的評価のシステムを開発することである。(1)文献検討・概念枠組みの構築:本研究の概念構造の仮説モデルにおける社会システムに関する概念を文献から抽出する。また、臨床教育の診断的評価、形成的評価、総括的評価の動向を概観し、看護学生のメタ認知の発達に寄与する評価方法を検討する。(2)臨床学習環境に関する質問紙調査:概念枠組みに沿って、文献検討をもとに調査票を作成し、看護学生(大学・専門学校)300名、実習指導者(臨床看護師)200名、看護教員(大学・専門学校)100名程度を対象に調査を実施する。臨床学習環境を評価する指標としてClinical Learning Environment Diagnostic Inventory(CLEDI)を使用する。この尺度は看護学生と実習指導者を対象として信頼性・妥当性を検証しているため、対象を看護教員に広げてCLEDIの活用可能性を検証する。看護学生を対象にクリティカルシンキング傾向を測定するCalifornia Critical Thinking Disposition Inventory(CCTDI)を用い、CLEDIとの関連を検討する。看護学生、実習指導者、看護教員を対象に、文献から明らかになった概念に関する項目とCLEDIとの関連を明らかにする。定量的データは統計学的方法を用いて分析し、定性的データは内容分析を行う。(3)臨床学習環境に関するフォーカスグループインタビュー調査:臨床学習環境におけるメタ認知の発達に寄与する評価を検討することを目的に、臨床学習環境の参加者であるステークホルダーによるフォーカスグループ(FG)を構成し、参加者間の相互作用を引き出すFGインタビューガイドを作成し、ガイドに沿ってFGインタビューを実施する。FGインタビューで得られたデータは、逐次的にディスコース分析を行う。(4)調査結果から明らかになったエビデンスを用いて、メタ認知の発達を支援する臨床学習環境デザインを構築し、臨床教育における評価システムの指針を提供する。
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