本研究は、新卒看護師の卒後研修を支える指導者教育プログラムおよび支援システムを開発することを目的としている。平成20年度は、国外の新卒看護師の卒後研修の実態調査を行い、国内での卒後研修の問題解決方法の具体的検討を行うことを目標とした。 文献およびホームページを用いて情報収集し、オーストラリアの2病院で調査を行った。私立病院と公立病院で、プログラムコーディネーターにインタビューを行った。インタビュー内容を卒後研修の担当者、卒後研修プログラム、指導者にまとめ、比較検討した。オーストラリアの卒後研修で特徴的であったのは、プログラムコーディネーターの存在であり、基礎教育との連動を図っていることであった。また公立病院では、州政府からの助成金で臨床教師を雇用しており、1臨床教師が4病棟程度を担当し、新卒看護師の教育に責任を持っている。また臨床教師は、新卒看護師の日々の指導を行うプリセプターのサポートも行っていた。 以上のオーストラリアでの調査結果を、平成19年度に実施した国内調査の結果と比較し、日本における新卒看護師の卒後研修のあり方を考察した。専任の教育担当者の配置、ローテーション場所の検討、基礎教育との連動、プリセプターの役割の明確化とサポートシステムの構築が課題となると考えられた。 これらの課題を達成する指導者教育プログラムおよび支援システムを開発する予定である。
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