平成19年度は、研究着手に向けて、外来看護の現状や課題を明らかにするため、文献を中心に検討を行った。さらに、協力の得られた看護管理者へのインタビューを行った。 文献検討の結果より、外来機能においては、従来の診療部門に加え、治療部門(化学療法、放射線治療、フットケア・リンパマッサージ)としての機能が大きく役割のひとつとして付加されてきていることが明らかとなった。また、治療部門において多くの看護職が専門性を発揮しながら、一定の役割を果たしていることも示唆されていた。また、在院期間の短縮とともに、治療のみならず、退院へむけた患者サポート行うため、部門として退院調整を担う部署が設置され、大きな役割を有していることも示されていた。 一方、看護管理者からのヒヤリングでは、在院日数を減少させるためには、入院期間中のケアを充実させることが重要であるとの考えから、病棟の看護師配置を手厚く等の対応をすすめていることが明らかとなり、一方で、外来の人的資源の減少を余儀なくされている現状も語られ、人材確保の困難さや人材育成の課題についても言及され、対応の難しさと課題の大きさが示唆された。 現在のデータ整理の状況から、外来の看護の質を支えるシステムの一つとして、外来の治療部門を支えるシステムが重要ではないかと考えている。次年度は、外来治療部門に看護師がどのように関わり、外来看護や医療にどのような影響を与えているかについて具体的に調査を進めていくことを計画している。
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