研究課題
平成19年度は、経験型実習教育の研修プログラムの開発にあたって、従来から実施してきた経験型実習教育に関する基礎的な知識に関してのDVD教材の開発に取り組んだ。経験型実習教育の研修プログラムでは、理論的な講演と事例を活用した演習を組み込むことを計画しているが、基礎的な理論に関しては、DVDの活用により、水準を一定に保った研修が可能になると考えたためである。結果として「経験型実習教育」「ケアリングと経験型実習教育」「指導型実習と経験型実習の指導アプローチの違い」「経験型実習指導教員へのアドバイス」の4つのDVD教材を作成した。実習指導者及び教員を対象としたワークショップでは、各領域毎の事例検討で、実習で学生がよく遭遇する典型的な指導場面や指導困難な場面を典型事例として、活用して講演した。学生に対しては、「看護実践論」の演習において、上記の事例をエピソード事例として提示し、グループワークによって、経験型実習教育の事前学習として活用した。平成19年度はロールプレイ教材の作成まではできなかったため「看護実践論」の演習では、既製のDVD教材(心筋梗塞患者と医療者の関わり事例)を活用して演習を行った。知識を確認した後に再度DVDを視聴すると、聞きとれなかったことが聞きとれるという経験を多くの学生が経験した。そのことにより、知識の必要性を強く認識し、実習の事前学習に取り組むモチベーションをあげることに成功した。演習前と演習後では、有意に学生の不安が減少していた(p<0.01)。来年度は、今年の結果をふまえ、予定していたロールプレイ教材とオリジナルのDVD教材を作成し、指導者用と学生用の経験型実習に関する研修プログラムを開発したい。