今年度は、研究1.教員からみたフィジカルアセスメント教育における重点内容の調査について行った。 〈調査方法〉全国の看護系大学124校に調査用紙を配布し、64校(51.6%)から回答があり、うちフィジカルアセスメントの授業を開講している47大学の48名の教員から研究協力への同意が得られた。 1)第一段階:調査用紙の開発;研究者がフィジカルアセスメントに関する教科書を参考に、調査用紙のたたき台を作成し、それをもとにフィジカルアセスメント教育に関する3名からなる専門家パネルを実施し、そこでの意見を整理、統合して調査用紙を改訂した。 2)コンセンサスを得るための第1回目、第2回目調査(第2、3段階):各フィジカルアセスメント技術内容の同意の有無、到達目標で同意するレベルについて48名の教員の調査用紙を配布。そのうち33名から回答が得られた。その結果を分析し、再度48名にこの結果を記載した調査用紙を送付し、あらためて各項目の同意の有無、到達目標で同意するレベルについて質問した。 〈調査結果〉身体系統別11カテゴリ、59項目で調査した結果、各系統でかなりの到達レベルの差が認められた。たとえば、呼吸器系のアセスメントは、ほとんどの項目で「知識がありかなりの援助があれば実施できる」のレベル2、眼底鏡、耳鏡を用いたアセスメントは「知識があるが実施できない」のレベル1、となった。 この結果を生かし、来年度は実際のフィジカルアセスメントに関する教育カリキュラムを開発することと、臨床現場でのニーズを知るための調査を実施する予定である。
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