研究概要 |
2007年8〜10月に7例の寝床内気候とアクチグラフによる睡眠覚醒状況を測定した。 アクチグラフによる睡眠-覚醒状況については、2006年度以前の症例と合わせた14例について、ビデオによる観察結果との照合により、アクチグラフの乳児における信頼性について詳細に分析した。その結果、Actigraphでsleepと判定された78分のうち、ビデオの解析では27分がlight sleepと判定されていた。Light sleepと判定された50分のうち18分はsleep,15分は覚醒と判別された。覚醒と判別された1058分のうち13分はsleep,4分はlight sleepであり、一致率は92.1%であった。これまで多く報告されてきた成人におけるアクチグラフの信頼性と同様に臨床的に十分高い有用性を確認した。 また、寝床内気候の測定結果については、4例について事例ごとに検討し、2007年12月の第27回日本看護科学学会において報告した。3例がポリエステルの堅わた布団、1例が綿布団を敷き布団として使用し、4例中3例が防水シーツを常用していた。寝床内温度と湿度は、使っている寝具に違いがあっても、快適な寝床内湿度である50〜60%に比べ、80%前後と非常に高かった。これは3〜5カ月の乳児では、眠っている時の体動がほとんどないためであろうと思われる。寝具の違いでは、ポリエステルの堅わた布団は、綿布団より、寝床内温度・湿度ともに、高い傾向があり、ポリエステルの堅わた布団のなかでも、体表面にあたる側をウエーブ状に加工したもの(製作会社は、へたりを少なくして耐久性を高めるためと説明)は、そうでないものに比べ、寝床内湿度が低いようであった。また、防水シーツを使うと湿度が高くなりやすいことが確認され、当たり前のように常用するのではなく、状況により使用するよう母親に情報を提供する必要性が示唆された。
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