研究概要 |
平成19年度の研究プロジェクトを設置し,出産前教育に関する情報入手して意見交換した。それを基盤に出産前教育の現状分析をする準備と分析結果から一部検討して次年度の継続活動への準備資料にした。 1)石川県内の地域拠点病院からヒアリング: 能登地区および中部地区,加賀地区で主要な病院施設の担当者から現状について聞き取りし,現状の一次分析を行った。妊娠,出産に対する視点やクラスの運営方法について,病院の規模によって違いがあった。主に開業助産院で活動する助産師の場合,限られた妊産婦のニーズに合わせて教育内容をアレンジできており,総合病院,大学附属病院に比べて指導は一貫していた。さらに出産前教育を行う理念がある施設や指導者から具体的に理念がない指導者に取り組みの違いがあった。親準備性を理念に置き,継続的に個別にリピートできるクラスと逆に多くの妊産婦に解説的・指導方法をとるなど運営は異なり,クラスの評価も一部ありから未実施まで施設に幅がみられた。 2)クラス指導者サイドの実態と課題: 同一施設内でも指導者の個人差がでるクラスになりやすい問題,施設の出産前教育を同じ方向性で運営することに限界と今後の改善点が挙げられた。また,既成の資料への依存傾向があり施設オリジナルの資料作成への準備も取り組み不足であった。したがって出産前教育の指導能力の向上と効果的方策を地域が連携して練ることが最優先の課題に挙げられた。他,現状の産科医不足の問題や帝王切開率の上昇により,クラスの機能と目標について再検討する必要性があること,その出産状況に付随する出産前教育の地域と職域を越えたネットワークのモデルを考える素地が浮上した。以上からデータを総合整理して次年度の計画に継げる。
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