研究概要 |
本年度は,作成し見直したCAI教材による,再学習用教材としての質の確保の確認を行った。またモデル人形を使用した蘇生法の学習を行い,学習者が救急蘇生法を行う上で必要な基礎知識と実践するための技術能力の査定及び,学習効果を検証した。 質の確保においては,ICLSインストラクター等の協力を得て教材の内容確認を行った。また,学生の基本知識の確認として○×式質問紙を使用した。「安全の確認」「意識の確認」「助けを求める」「気道確保」「呼吸の確認」などの具体的方法及び知識では,心肺蘇生に関する教育を受けていない学生(1年以内)<以後受けていない学生>では32名中58.2%が正解し,心肺蘇生教育を受けている学生<以後受けている学生>では72名中83.3%が正解していた。また,人工呼吸及び胸骨圧迫の問題は「人工呼吸(レスキュー呼吸)の方法(回数、換気量など)」「脈拍の触知」「心臓マッサージの方法(圧迫部位、回数、正しい手技など)」とし,受けていない学生は53.5%,受けている学生は81.3%が正解していた。AEDに関する質問は,「AEDの原理と使用方法(手順、注意事項)」についてであり,受けていない学生は42.6%,受けている学生は59.7%が正解していた。技術能力においては,倒れている人を確認(開始の合図)後,行動を起こす(屈みこむ)まで,受けていない学生は3.5秒,受けている学生は2.9秒かかっていた。人口呼吸の深さにおいては両者に差はなかったが,呼吸量は規程より少ない学生が多かった。また胸骨圧迫においてもその深さに差はなく,両者とも規程より少量であり,質の高い心肺蘇生は行われなかった,という結果であった。
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