現行サポート体制の調査については、実際にサポートを受けた親からの面接調査を実施した。小児がんが疑われての転院時や確定診断が出るまでの状況や精神状態が明らかになり、心理面に対するサポートや、小児がんの子どものきょうだいに対する配慮などの必要性が示された。また、小児がんの子どもと付き添っている家族が入院生活において必要とするサポートを明らかにすることができた。しかし、今回の面接調査は付き添いを許可している病院が中心であったため、入院生活に必要なサポートに焦点があたっていることや、公的サポートや病院外からのサポートについての詳細な情報が少ないことが示された。そのため、付き添いを許可していない病院で入院していた子どもの家族が必要とする、あるいは期待するサポートについても面接調査を実施する必要性が認められた。 また、サポートを必要とする家族側の希望であることから、家族側の期待だけでは、可能なサポートであるかが問題となる。そのため、サポートする側の支援体制や支援に対する準備状況などについても明らかにする必要性も認められた。 さまざまな関連職種による現行サポートについて、先行研究より分析した。それぞれの専門職が、院内学級や退院指導、前籍校への復学支援など、それぞれの立場からのサポートを実施し、評価を得ていることが明らかとなった。しかし、これらのサポートが、家族が必要とするサポートであるのか、それぞれのサポートを組み合わせることでの相乗効果などについての今後の調査の必要性も認められた。
|