本研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の身体的機能や精神的健康の低下を予防するには、患者のどのようなセルフマネジメント力をどのように強化する必要があるのかについて、増悪を予防するという観点から明らかにすることである。 (1)COPDと診断され、在宅で療養する病期II期以上の者を対象として、増悪の予測因子(身体的機能に関する測定値と質問項目、心理的な状態に関する項目、療養行動に関する項目)、調整因子(サポートサイズ、特性的自己効力感、課題特異性自己効力感、病気の捉え方;認知的評価、対処方略)について、ベースライン調査、追跡調査を実施する。 (2)ベースラインデータから、増悪を起こした者(気道感染を起こした者)の特徴を検討する。 (3)追跡期間中(1年間の間)に増悪を起こした者とそうでない者のベースラインデータを比較し、増悪に関連する要因を検討する。どのようなセルフマネジメント力を強化する必要があるのかについて、増悪(気道感染)に関連する要因を検討することで明らかにする。 (4)増悪した患者の面接によるデータから、さらなる要因の探索やセルフマネジメント力を高めるための介入方法について示唆を得る。 以下の(5)は、計画当初は予定していなかったが、得られたデータから患者のセルフマネジメント力を高める介入方法を検討するには必要と考え、追加した。 (5)1年間に在宅酸素導入する患者の援助に直接携わった看護師を対象として、在宅酸素導入時に患者のセルフマネジメント力を高めるための看護援助がどの程度行われているのかについて調査を実施する。増悪を予防するという観点から不足している看護援助を明らかにする。
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