研究概要 |
年度初めに、研究参加継続の意向および研究協力者の確認を行い、1施設から協力辞退の申し出があった。そのため、今年度は残る10施設の協力を得て、前年度にパイロット・スタディーとして実施した導入・定着の取り組み結果を施設毎に分析し、それに基づき実施計画の修正を行った。そして、プリパレーション導入・定着に有用な取り組みや方法について示唆を得るために、定期的に会議を開催しながら、再度計画に基づく実践を行った。 施設単位で3もしくは4グループに分かれ、3回(第1回:6月13日,第2回:9月13日,第3回:12月5日)に渡り討議を行った。また、グループ討議後には、共通する問題点について全体で情報共有や勉強する機会(第1・2回会議)や、取り組みを振り返り評価する機会(第3回会議)を設けた。3年間の取り組み内容とその経過を施設毎に資料にまとめ、2月にそれを参照しながら施設毎の振り返り面接を実施した。そこで、プリパレーションの取り組み状況の認識や、導入・定着の取り組みに影響した要因、その中での気づきや思いなどを表現して貰った。 現在は、3年間に渡るプリパレーション導入・定着を推進する取り組みを通じて明らかになった結果を分析し、研究成果をまとめ、記述している。具体的な結果として、開始時点から最終時点までに施設毎や全体での取り組みや認識の変化、プリパレーションの導入・定着に向けた取り組みのプロセスにおける促進因子および抑制因子を含めた問題点、多施設協同システムの実際とそれがもたらした効果など、多くの示唆が得られている。今後、それらを報告書にまとめ、さらに小児看護の実践者や教育・研究者が集まる学会にて発表していく予定にしている。
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