研究概要 |
外来放射線治療を受けているがん患者やその家族が安心して医療を受けることができ、外来放射線治療にともなう有害事象が最小限にできるための看護援助が必要である。そこで本研究では在宅外来がん患者やその介護者を対象とした外来放射線治療患者の在宅におけるサポートシステムを構築した。 前年度に構築した電話回線やインターネットを利用したバイタルサインを始めとした映像情報や文字情報の患者情報を双方向で伝送可能な在宅サポートシステムの「相談サポート」,「セルフケア」,「観察」と3つの介入画面を使用した結果、「相談サポート」画面ではいつでも相談できることで安心感や、リアルタイムの必要性がない場合は医療者の都合を気にすることなく相談できることで、相談がしやすくなった。「セルフケア」画面ではセルフケアの方法や自己管理ができ、患者自身のセルフモニタリングにつながった。セルフケアの情報を得ることができ、在宅療養への自信につながった。 「観察」画面では症状をデジタルカメラで撮影することで、症状の経過が把握しやすくなった。また看護師が患者の症状に関する情報収集がしやすくなった。ビジュアル以外の症状については苦痛症状スケールSDS (Symptom Distress Scale)にチェックをするだけで自動計算し、スコアが得られた。 以上のことより,本構築システムを利用することで在宅での身体的・精神的な看護援助が可能となった。また,患者自身がセルフ能力を高められるシステムとなった.しかし、情報通信機器になれない対象には困難なことも考えられるため、今後は操作の利便性について改善していく必要がある。
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