研究概要 |
I目的:糖尿病患者を対象にランダムに2群(パブ足浴群、湯足浴群)に分け3ヶ月間継続実施し、開始前と3ヶ月後の皮膚血流量を促進する効果をレーザー血流計など用いて測定、比較することで検証する。II方法:1.対象者:糖尿病外来に通院する糖尿病患者に研究目的、方法および途中で研究辞退することも可能であることを書面で説明し、同意書を得られたもの。2.対象者をランダムに2群(パブ足浴群と、湯足浴群)に分け、割り当てられた足浴を3ヶ月間毎日家で継続するよう依頼。3.足浴:(1)対象者にバケツ1包、各足浴剤を3ヶ月分、水温計1本等を提供する。(2)パブ足浴:38℃お湯6リットルに提供した花王株式会社に依頼し製造された炭酸入浴剤1包投入、完全に溶解し、15分間足浴実施。湯足浴:38℃お湯6リットルに15分間足浴実施。4.評価:1)足浴開始前、1、2、3ヶ月の外来受診時に(1)2次元レーザー血流計等で足部全体の皮膚血流量、(2)水分計による足背部の水分量、(3)両踵部の皮膚状態をレプリカで測定、比較。2)継続による足浴による皮膚症状の有無、実施状況、主観的効果などを比較調査。III結果・考察:対象者は、糖尿病患者のうちパブ足浴群15名、湯足浴群15名、計30名。1.2次元レーザー血流計による平均皮膚血流量:湯足浴群に比べて、パブ足浴群は、開始前と、1,2,3ヶ月後を比べて対応あるt検定の結果有意に血流量の増加が示された。このことは、炭酸による皮膚微小循環改善効果が見られたと推測された。2.各足浴群の水分量:2種足浴群に関して有意差が示されなかったのは、各足浴直後の測定ではなかったことや靴下などを身に着けることでその水分がふき取られる状況にあるためと考える。3.主観的効果:足の冷感、かさつき、ひび割れ、潤い感の軽減関しては、3ヶ月間通して、パブ足浴群の方が湯足浴群より有効であったのは、炭酸による微小循環改善効果が影響しているように考える。
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