研究概要 |
平成19年度は虐待ハイリスクケースのスクリーニングのための質問紙の作成および調査を行った.研究代表者の研究機関における倫理審査に時間を要し,調査開始が遅れたため調査は平成20年6月まで継続する予定である。また,健康な家族アメリカ(HFA)のプログラムコーディネーターにコンサルトし助言を受けた. 虐待ハイリスクケースのスクリーニングについては,今年度はまず母親の特性と産褥期の養育態度の特徴に関する調査を実施した.妊娠期から産褥期にかけて変化しにくいことが確認されている内的ワーキングモデル,日本語版Personal Resource Questionnaire85,自己肯定感尺度と養育態度に関する尺度で構成した質問紙調査を実施し,産褥期の養育態度と褥婦の特性との関係の分析を進めている.平成20年6月に調査を終え次第,褥婦の特性を妊婦の特性と読み替えることによることによって,妊娠期に産褥期の養育態度を予測する尺度を作成する. 早期介入プログラムについては,平成19年8月米国オレゴン州のOregon Commition Family and ChildにKaren Van Tassell氏を訪問し,HFAの12大原理,プログラム提供者のトレーニング,スーパービジョンなどについて説明を受けた.(別件で出張の期間に訪問したため本研究費からは支出せず。)また,Prenatal Trainingのマニュアルの提供を受けた.さらに,このマニュアルについては翻訳して使用すること,文化的背景や対象の条件に即して,より適切な内容に修正して使用することの許可を得た.平成19年度は本マニュアルも参考にしながら、エンパワメントおよび自己肯定感を得て自分自身が持つレジリエンスに気付きながら親準備性を高めていく早期介入プログラムの内容を吟味した. 平成20年度は質問紙調査の結果から,妊産婦の特性と産褥期の養育態度との関連を踏まえて早期介入プログラムの内容を精選する.
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