本研究は、不妊治療を受けているカップルの親密さを高める看護介入プログラムを開発し、実用化をはかることを目的として、1)不妊治療を受けているカップルの親密さを高める看護介入プログラム案を開発する。2)不妊治療を受けているカップルの親密さを高める看護介入プログラム案を実施し、評価する。3)実用化へ向けて、不妊治療を受けているカップルの親密さを高める看護介入プログラムを精錬する、の3つの目標を設定した。 平成20年度も、平成19年度に引き続き目標2)を達成するために、研究用サイトを用いて介入群のリクルートを行い、随時準実験研究デザインを遂行した。30人のアクセス者の内、初回のレポート報国があった者は8人、3ヶ月間継続した参加者は2人であった。2人の親密さ尺度得点はプレテスト及びポストテストにおいて殆ど変化がなく、カップルの親密さは維持できている状況と判断できた。協力者からは、毎週のアドバイスを受けて、思考の整理ができたり、発想の転換ができたという感想も聞かれた。一方、途中脱落者の理由は明確ではないが、プレテストの得点が低い傾向があった。得点の低い参加者は実践レポートの自己表出も少なく、研究者からのフィードバックにも限界があった。また、目標3)を達成するために、ICM28^<th>Triennial Congressにて不妊治療を受けているカップルの親密さ尺度を発表すると共に、看護介入プログラムに関する情報交換を行った。 以上のことから、今後の課題として介入プログラムの参加者を増やしてデータの蓄積をはかると共に、親密さの低い参加者がプログラムを継続できるような対応を検討する。さらに、介入プログラムを、臨床の場で看護職に使用してもらえるようリーフレットの作成を予定している。
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