研究課題/領域番号 |
19592523
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
田中 愛子 山口県立大学, 看護栄養学部・看護学科, 教授 (10285447)
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研究分担者 |
市村 孝雄 山口県立大学, 看護栄養学部・看護学科, 教授 (80144468)
森田 秀子 山口県立大学, 看護栄養学部・看護学科, 准教授 (60275435)
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キーワード | ユーモア / 危機的場面 / 対処 / 脳波 / 質問紙調査 |
研究概要 |
今年度は、「ユーモアのセンスの高い人は、ゆとりをもって危機的場面に対処できる」という仮説を、看護学生を対象に、質問紙調査および脳波による生理的実験から明らかにすることを目的とした。質問紙調査では看護学生10人のユーモアの自己評価をおこなった。結果、ユーモア得点全体の平均値は75.1で、自分はユーモアがある、ない、わからないという3群の自己評価で比較検定した結果、3群間の差は見られなかった。つまり、ユーモアがあると自己評価している対象が、ユーモア得点が高いということはなかった。 次に、前者の中から承諾が得られた6人に以下の調査を行い、危機的場面での対処状況を、脳波で確認する目的で、以下の方法をおこなった。危機的場面とは、恐怖を抱くビデオを視聴することとし、対処とは、その恐怖感からの回復とし、脳波の安定状況から観察した。実験の方法は以下の如くである。(1)安静にし、135度に設定された椅子に座り、頭部に脳波用皿電極、手首と両足内踝に心電図貼付電極を装着し、15分間測定する。(2)ビデオ24hoursを45分間視聴する。(3)視聴後135度に設定された椅子に座り、頭部に脳波用皿電極、手首と両足内踝に心電図貼付電極を装着し、30分間測定する。ビデオ視聴前と視聴後の脳波の比較をしてみると、全体的には著明な変化は認められなかった。その理由として、45分のビデオ視聴の間に、各自が自然に恐怖場面に適応していったことが考えられる。 最後に対象ごとの脳波の変化を観察すると、ユーモア得点の最も低かった学生が最も脳波の変化が著明であり、ユーモア得点の高い学生の脳波は安定していることがわかった。ユーモア得点の高い学生は、危機的場面(恐怖)への対処が上手にできていることが示唆された。しかし、例数が限られており、一般化するには限界がり、仮説が検証されたとは言い難い。
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