本研究は、母親が安心して育児ができ、次回の妊娠・出産へとつなげるために、出産後の母親の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を予防するための対応策を看護の視点から提案することを目的とし、1) 心的外傷後ストレスを引き起こしている母親はどのような出産体験をしたのか、また、印象に残っている場面を、健常な心的外傷後ストレス状態の母親と比較して、抽出する。2) 心的外傷後ストレス症状の再体験、回避、覚醒亢進が出現した時期や出来事から、心的外傷ストレス症状出現の誘因(引き金)や予防因子、抑制因子を抽出する。3) 妊娠・分娩・産褥期に助産師や看護師、医師、その他の支援者から、どのような支援を受けたと認識しているのか明らかにする。4) さらに、どのような支援を必要としているのか明らかにする。5) 心的外傷後ストレスを引き起こしている母親と、同様な心的外傷後体験をし、心的外傷後ストレスを引き起こさなかった母親への支援状況との違いを明らかにする。6) 1)~5)に基づき、出産体験に伴う心的外傷後ストレスの出現過程や予防に関連している要因を含んだ概念マップを作成する。ことを研究目標にしている。 平成19年度は、海外の親のPTSDに関する先行研究について、keywordを「post-aumatic」と、「postpartum or postnatal」あるいは「pregnant or pregnancy」あるいは「mother or parent」とし、CINAHLとPubMedを活用、わが国については、「心的外傷後ストレス」をキーワードに医学中央雑誌を活用し、文献検索した。その先行研究の結果、および周産期看護の実践等のスペシャリストの意見を参考に、研究計画書等を作成した。現在、研究協力施設、協力者等を確認中である
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