子どもの保健行動自己効力感尺度、子どもの保健行動ソーシャルサポート尺度作成を試みた。方法は(1)小学4年から中学3年までの35名を対象とした半構成的インタビュー内容から保健行動自己効力感と保健行動ソーシャルサポートのカテゴリー化と質問項目の作成、(2)専門家による表面妥当性と内容妥当性の検討後、子どもの保健行動自己効力感尺度2カテゴリー、20項目の質問票、保健行動ソーシャルサポート尺度は7項目の質問票を作成、(3)小学4年から中学3年までの152名を対象に調査を実施、(4)項目精選と信頼性の検討を項目分析、因子分析(主因子法、Varimax回転)、Cronbachのαの算出により実施、(5)調査対象から無作為に30名を選び、8週間の期間をおいて再テストを実施、子どもの保健行動自己効力感尺度は保健行動への積極性(9項目)と健康に関する関心(8項目)の2因子、子どもの保健行動尺度ソーシャルサポート尺度は1因子(7項目)が抽出された。それぞれの尺度のα係数(内的整合性)、再テスト信頼性の双方において、一定の水準の信頼性をもっていることが示された。さらに、(6)内容妥当性を検討するため、保健行動と保健行動自己効力感、保健行動尺度ソーシャルサポート尺度とのピアソンの相関係数を求め検定した。その結果、思春期の子どもの保健行動と保健行動自己効力感、保健行動ソーシャルサポート有意な相関が認められた。中でも保健行動への積極性は保健行動に重要であることが明らかにされた。これまでの報告では、一般的自己効力感や子どもに対しては慢性疾患患児を対象として開発された保健行動自己効力感の健康児童に対する適用が殆どであったが、保健行動に限定した自己効力感との関連は、保健行動の行動予測変数として有効であることが明らかにされた。
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