研究概要 |
本研究は、日帰り手術に向けての幼児の自律性を親と協働して支援する看護介入プログラムの有用性を検証するために、評価研究の研究枠組みを構築することを目指すものである。1年目にあたる今年度は、先行研究で作成した 2つの質問紙((1)日帰り手術に向けての幼児の自律性についての質問紙,(2)医療体験に向けての幼児の自律性についての親の自己効力感尺度)について妥当性と信頼性を高めることを目的とした。 1.「日帰り手術に向けての幼児の自律性についての質問紙」は、先行研究の対象者25名の回答を基に再検討して修正した。現在は研究施設の外来において、日帰り手術が計画された3〜6歳の幼児の親と、日帰り手術が終了した幼児の親に修正した質問紙を実施し、回答をもとに項目内容についての意見やスケールの選択簡易性などについて聞き取り調査を行うと共に、回答傾向について時系列や年齢を指標に検討し内容妥当性を高めている。 2.「医療体験に向けての幼児の自律性についての親の自己効力感尺度」については、基準関連妥当性(併存妥当性)を探求するためにSTAI日本語版の特性不安検査と母親役割達成感尺度を用い、構成概念妥当性(収束的妥当性)を探求するために特性的自己効力感尺度を用いて、某地区の幼稚園に通う3〜6歳の幼児の主なケア提供者である親に質問紙調査を実施した。配布対象者は1138名で、回収数は590名(回収率51.8%)であった。信頼性の検証として再テスト法も行い、回収率36.1%であった。現在、データ入力と分析中である。 3.日帰り手術に向けての幼児の自律性を親と協働して支援する看護介入プログラムの有用性を検証するための評価研究に向けて研究枠組みを構築するために、現在、非介入群の手術後の子どもの苦痛について調査している。以前に調査した介入群の苦痛の程度と比較し、成果変数として妥当かどうかを検討している。
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