• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

若年性神経難病患者の"社会との接点"と"SEIQoL-DW"との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19592546
研究機関広島国際大学

研究代表者

秋山 智  広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)

キーワード慢性病看護学 / 神経難病 / 若年性パーキンソン病 / QOL / SEIQoL-DW
研究概要

▼本研究は、若年性神経難病患者の"社会との接点"と"SEIQoL-DW"との関連に焦点を当て、患者の生活の質(Quality of Life, QOL)の向上に寄与する方策を検討することを目的とする研究である。
▼本年度は若年性パーキンソン病患者50名を対象に、(1)ライフヒストリー法による個人の生活史の把握、(2)SEIQoL-DW、(3)MASAC-PD31、の調査を行った。以下、主にSEIQoL-DWの結果について述べる。
▼SEIQoL-DWは原則として1年に一回ずつ実施し、今年度は過去からの調査の蓄積により、50名のうち、1回目の実施が10名(10回)、2回目の実施が7名(14回)、3回目の実施が14名(42回)、4回目の実施が10名(40回)、5回目の実施が9名(45回)となった。全151回の平均値は69.80±18.48であった。若年患者に最も特徴的なキューとしては「仕事」が挙げられ、また、「家族」というキューの構成要素から子育てと老親の介護という両側面の事象を抱えていることが浮かび上がった。また、2年以上で複数回実施した40名のデータから、インデックス値の変動が大きいケース(前年度と比較して便宜上±15以上の変化)の原因について分析した。大きく下降したケースでは、(1)自分自身の喪失体験(仕事、お金、健康、離婚など)、(2)家族の問題(失業、病気など)、(3)夫婦間の関係性の悪化、が主な原因として挙げられた。一方、上昇したケースでは、(1)家族との関係性の向上、(2)失ったものに代わる何かを得る、(3)考え方の枠組みの変容、が主な原因であった。全体的に"家族関係"の状況が値の変動に大きく影響していたが、仕事や患者会などの"社会との接点"の状況も重要なものであった。
▼現役世代ならではの家族や就業などに関連する様々な問題を抱えている若年患者において、SEIQoL-DWを用いて経時的に計測を続けると、値の変動の原因がつかみやすかった。またその原因を対象者と一緒に考えることで、それぞれの対処方法なども浮かび上がってきた。若年患者の場合、生活に直結する喪失体験に患者自身がどう対処し、ナラティブの書き換えを行えるかがQOL維持の鍵である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 若年性パーキンソン病患者のQOLに関する研究-SEIQoL-DWによる評価2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      日本難病看護学会誌

      巻: 14(3) ページ: 169-177

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 難病患者から見た医療・看護(14):私の職歴は病歴と共にあり2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      臨床老年看護

      巻: 17(3) ページ: 70-77

  • [雑誌論文] 難病患者から見た医療・看護(15):今を生きる喜びとオルゴールでつながる絆2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      臨床老年看護

      巻: 17(4) ページ: 104-111

  • [雑誌論文] 難病患者から見た医療・看護(16):今を精一杯生きていたい2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      臨床老年看護

      巻: 17(5) ページ: 111-119

  • [雑誌論文] 難病患者から見た医療・看護(17):若年性パーキンソン病患者の生活の現状と諸問題2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      臨床老年看護

      巻: 17(6) ページ: 87-103

  • [雑誌論文] Actual condition of disease disclosure of the Early-Onset Parkinson's disease patients to circumference people2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      Role Expansion of Nurses and Improvement of Professional Status

      巻: 2010 ページ: 47-48

  • [雑誌論文] 難病看護と遺伝~看護職としての支援2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 雑誌名

      日本難病看護学会誌

      巻: 15(2) ページ: 120-121

  • [学会発表] Actual condition of disease disclosure of the Early-Onset Parkinson's disease patients to circumference people2010

    • 著者名/発表者名
      Satoru Akiyama
    • 学会等名
      2nd Japan China Korea Nursing Conference
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2010-11-20
  • [学会発表] 若年性パーキンソン病患者のQOLの特徴~SEIQoL-DWによる経時的分析を通して~2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 学会等名
      第15回日本難病看護学会学術集会
    • 発表場所
      山形県山形市
    • 年月日
      2010-08-28
  • [学会発表] パーキンソン病若年患者の長期療養生活における問題について~NPO法人パーキンソン病若年患者会「オズ」の活動から~2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 学会等名
      第15回日本難病看護学会学術集会
    • 発表場所
      山形県山形市
    • 年月日
      2010-08-28
  • [学会発表] 難病看護と遺伝~看護職としての支援~2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 学会等名
      第15回日本難病看護学会学術集会公開セミナー
    • 発表場所
      山形県山形市
    • 年月日
      2010-08-27
  • [学会発表] 若年性パーキンソン病患者の患者団体の活動2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 学会等名
      第15回日本難病看護学会学術集会
    • 発表場所
      山形県山形市
    • 年月日
      2010-08-25
  • [図書] 人体の構造と機能からみた病態生理ビジュアルマップ(第4巻);多発性硬化症2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] 人体の構造と機能からみた病態生理ビジュアルマッブ(第4巻);パーキンソン病2010

    • 著者名/発表者名
      秋山智
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      医学書院

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi