小児がんの疼痛緩和に対するチーム医療の現状と今後の課題 目的:小児がんの疼痛緩和に対するチーム医療の現状を明らかにし、課題を検討する。 方法: 1)調査期間:2008年4月〜10月2日。 2)調査対象:インターネットで全国の小児病棟情報一覧から小児がんの医療を実施している58施設(各都道府県1〜3施設)の小児病棟で働く看護師(師長、主任、専門看護師、認定看護師を含む)で同意が得られた300名である。 3)調査:質問紙法 結果:1)小児がんの疼痛緩和に対するカンファレンスの現状 カンファレンスは(1)実施している30名(27.0%)で(2)実施していない65名(58.6%)であった。 参加メンバーは、常時参加は(1)看護師90.1%、(2)小児科医師82.0%、(3)がん認定看護師49.5%、(4)小児専門看護師42.3%、(5)がん専門看護師39.6%であり、3位疼痛緩和評価、4位心理・精神面、5位家族の問題が取り上げられていた。 2)チーム医療における看護師と医師の役割 看護師は患児家族のサポートであり、次に疼痛マネジメント、スタッフ・チーム連絡調整と情報管理であった。医師は疼痛のアセスメントであり、患児家族のサポート、医療スタッフの教育、サポート、院内外の医療連携、遺族のケアの順であった。 カンファレンスの情報伝達方法として、同職者にはカンファレンス時13.5%、連絡ノート12.6%、カルテに記載12.6%で、他職者にはカルテに記載17.1%であった。 緩和ケアチームの有は73.0% 位置づけは病院組織としてが65.8%で、対象は成人と小児42.3%、成人25.2%、小児3.6%であった。 緩和ケアチームの必要性を感じているは89.2%であった。 以上の結果より、小児がん性疼痛に対するカンファレンスの現状は、実施している施設が3割弱と少なく、チーム医療において他職種間の連携の難しさから十分に機能していないことが明らかになり、チーム医療の機能を強化する必要性が示唆された。
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