本研究の目的は、出産後早期の看護介入の一環として、初産婦を対象にした新生児・乳児の泣きへの対応を含む育児支援プログラムを作成することである。支援プログラムを作成するにあたっては、研究者による先行研究で構造化した情緒的動揺と関連要因の統合型因果モデルおよび地域での育児クラスの実施結果から、その有効性が明らかになった以下の内容をプログラムの構成項目とする。 ・子育て地縁作りを行う。親子が集える場の提供として出産施設での育児クラスを出産後早期に開催する。小グループによる談話の際には、居住地域の近いもの同士が同グループになるよう配慮する。また、社会資源として居住地域で活用可能な子育て支援関連情報を紹介する。 ・正しい児の泣きに関する情報を提供する。児が泣くことの意味と成長発達に伴う特徴、泣きのパターンについて説明を行う。 ・児の泣きへの有効な支援を提供する。泣きへの対処方法を口頭で説明、実演すると共に、具体的な内容を記載した本研究オリジナルのハンドブックを参加者に配布する。 ・有効な育児支援を得る方策として、パートナーと子育てを行う上での今後の役割について話し合うことの必要性について説明、グループディスカッションの機会を設定する。 上記の内容について省察しつつ実施することにより「子育て地縁」作りの機会を獲得、「有効な育児支援」、「泣きへの有効な支援」が補足され、「泣きに関する情報の混乱」が減少することで「疲労感と不安」が緩和、結果的に「情緒的動揺」に至るプロセスの遮断へ寄与すると考えられる。21年度の継続研究では、上記内容についてアクションリサーチの手法を用いて育児クラスの効果を分析、より効果的なクラス内容につい
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