研究概要 |
平成20年度は, 出産後の喫煙再開ハイリスク者の抽出と, 必要な支援内容を導く問診表を作成し, 検証を目的とする調査を開始した。全国の市区町村の内, 2006年度出生数が中央値(129)以上の1, 083箇所から無作為に270箇所(約25%)を抽出し, 本調査への協力に同意を得た115箇所を対象市区町村とした。対象市区町村の申し出により, 予想される母子健康手帳交付来所妊婦数3551名分の質問紙を郵送し, 667名(18.8%)より回答を得た。その内, 2回目の調査に協力を得た444名に妊娠末期の時期に合わせて, 2回目の質問紙を順次郵送中である。 1回目分析対象者は, 平均年齢30.76(±4.7)歳, 初産50.8%, 平均妊娠週数13.4(±7.0)であった。母親役割受容の積極的意識得点は平均18.7(±310), 消極的意識得点は平均11.6(±2.8)と, 積極的意識が高い傾向にあった。喫煙経験ありは196名(29.4%)で, その内, 妊娠する前に禁煙した者118名(60.2%), 妊娠が分かって禁煙した者62名(31.6%), 禁煙したこともあったが再喫煙した, あるいは妊娠が分かっても喫煙を継続した者16名(8.2%)であった。喫煙経験者に尋ねた変容プロセスの得点は, 意識の高揚7.5±3.6, 援助関係の利用11.8±5.4, 社会的解放9.5±3.2, 情動的喚起8.7±3.9, 自己の再評価9.4±4.0, 逆条件づけ8.4±4.2, 環境統制7.2±3.6, コミットメント10.7±4.6, 褒美7.2±3.8であった。 今後, 妊娠判明時に喫煙した62名を追跡して, 出産後の再喫煙の予測可能性を評価する。また, 喫煙行動と変容プロセスの関連を追跡調査して, 必要な支援の抽出を試行する。
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