研究分担者 |
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 助教 (20431596)
大竹 まり子 山形大学, 医学部, 助教 (40333984)
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 准教授 (20261703)
叶谷 由佳 山形大学, 医学部, 教授 (80313253)
細谷 たき子 山形大学, 医学部, 教授 (80313740)
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研究概要 |
平成21年度は20年度に引き続き,本調査への協力に同意を得た115市区町村の母子健康手帳交付に来所し,本調査への協力に同意を得た妊婦を対象者とする妊娠末期(2回目),出産後(3回目)の追跡調査を実施した。2回目調査では434名に郵送し319名(73.5%),3回目調査では329名に郵送し254名(77.2%)より回答を得た。母子手帳受領時(1回目)の喫煙状況と関連要因を検証した結果,年齢が若い(p<.05),出産経験が有る(p<.001),喫煙する同居家族がいる(p<.001),喫煙する友人がいる(p<.001),喫煙する母親仲間がいる(p<.001)対象者はそうでない対象者よりも有意に喫煙していた。出産後(3回目)の検証では,出産経験が有る(p<.05),喫煙する友人がいる(p<.01),喫煙する母親仲間がいる(p<.001)対象者はそうでない対象者よりも喫煙していた。当初関連を予測した母親役割意識は,1,3回目ともに関連しなかった。母子手帳受領時(1回目),妊娠末期(2回目),出産後(3回目)の喫煙状況の推移は,1回目で喫煙経験がない対象者は2,3回目まで喫煙しなかった。1回目で喫煙経験はあるが妊娠判明時に禁煙した19名中出産後に喫煙を再開した対象者は3名(15.8%),1回目で喫煙していた5名中出産後も喫煙していた対象者は1名で4名は禁煙しており,平成16~18年度に実施した我々の調査結果よりも,喫煙再開率,喫煙継続率ともに減少した。1回目喫煙者の「変容プロセス」は,妊娠末期に禁煙した対象者は喫煙継続した対象者よりも9項目中7項目で相対的に得点が高く活用しており,とくに「援助関係の利用」の得点差が大きかった。逆に「社会的解放」は妊娠末期喫煙者の方が禁煙者よりも相対的に得点が高く,喫煙に不利な社会環境の動きの経験は,他の「変容プロセス」よりも禁煙に結びつき難いことが示唆された。
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