難病療養者と家族支援に携わる看護職者の連携における困難点を検討するため3調査を実施した。A県の難病担当の保健所保健師への質問票調査:11ヶ所に質問票を配布し、10ヶ所より回収された。関係職種間では、医師との連携が難しいとの回答が多く見られた。看護職間では、病院の地域連携室の看護師から保健師の役割を誤解された、ケースワーカーに個人情報なので話せないと言われた、サービス導入における訪問看護ステーションの管理者との意見の食い違い、サービス導入におけるケアマネジャーとの意見の食い違い、支援者間で誰が中心になるのか調整できない、どこがどの程度関わるのかがあいまいで行き違いが生じた、があげられた。訪問看護ステーションへの質問票調査:M市内および近隣の23カ所の訪問看護ステーションに質問票を配布し、19ヶ所より回収された。関係機関との対応において苦慮した経験として、主治医との連携が難しい、地域主治医をさがすのが大変、専門医との連携が難しいがあげられた。看護職間に関しては、訪問看護は医療保険、他のサービスは介護保険となるとケアマネジャーとの連携にやりづらさがある、難病支援センターの役割がわからないことがある、があげられた。以上より、(1)多くの看護職者が苦慮しているのは、医師との連携であった、(2)保健師は他の看護職による理解度が低い、(3)訪問看護とケアマネジャーとの連携が難しい、が明らかになった。胃瘻造設したALSへの地連に関する面接調査:胃瘻造設し在宅退院したALS療養者4名に面接調査を行った。胃瘻をすぐに使用しない場合のセルフケアの指導や連携方法の検討、また病院と地域との看看連携というよりも胃瘻ケアにおける院内におけるケアや指導方法を改善する必要性が明らかとなった。
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