研究課題
基盤研究(C)
本研究は、精神障害をもつ当事者の力量を高め、精神障害者を取り巻く環境に働きかけることができるようなエコロジカルな視点を取り入れた当事者力量精神看護モデルを開発し、看護アセスメントを始めとして、看護介入の指針や当事者のウエルビーングに影響する尺度などの開発につなげることを目指している。ここで言うエコロジカルな視点とは、精神障害をもつ当事者を、当事者を取り巻く環境との関連の総体から捉えることを意味し、当事者の問題は文脈依存的であり、病院や地域、当事者の置かれた状況によって異なるといった前提をもつ。すなわち、エコロジカルな視点は、現象が生起する現場での研究を促し、直線的な因果関係では捉えきれない現象を、個人と物理的社会的環境の相互作用や相互依存といった相互関連性の網の目の中で捉えることを可能にするため、障害をもつ当事者を取り巻く現行の精神保健福祉資源や精神保健福祉活動や、障害者への見方を方向付ける社会文化的な価値観といった要因も追求できる。エコロジカルな視点はまた、個人のライフコースにおける役割や状況の変化も包含するため、個別で柔軟なケアにもつなげることができる。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
千看会誌 14 (1)
ページ: 34-43