平成19年度に実施した先行研究検討や、平成15年度から受けた科研費による質的研究結果の再吟味に加えて、エンパワーメント尺度項目を糖尿病の自己管理能力に関わる側面として、知識、生活・療養技術、判断・決断力、調整・改善のための行動力の60項目から構成されるエンパワーメント尺度原案をエンパワーメント、保健行動、内発的動機づけ、セルフケア、セルフエフィカシー等に関する国内外の文献の中から、DES、D-FISQ、DMSESなどの先行開発されている尺度から、個人における糖尿病の自己管理能力を測定するための尺度項目を収集した。さらに本尺度の妥当性検討のため、他の基準として関連性を検討しうる既存尺度の検討を行った。 また、尺度案を地域で保健指導を行う保健師に実践者の立場から尺度項目への意見聴取を行った。 聴取された意見は、実際に保健指導を行う際に具体的な指導が結びつけて考えやすい項目設定が必要ではないか、また、尺度の適応対象として、糖尿病療養者を想定しているのか高血糖の者を想定しているのか、調理をする頻度は性別で違うと思うが両者を対象として考えているのか、等の質問・意見を聴取した。20年度は、特定健診・特定保健指導が開始され、当初予定の健診の主管部所が変更され、新な健診・指導体制が確定しがたい事情が市町村にあり、本調査に至れなかった。21年度は本調査及びデータ解析を進めていく。
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