研究課題/領域番号 |
19592562
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
細谷 たき子 山形大学, 医学部, 教授 (80313740)
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研究分担者 |
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 准教授 (20261703)
浅川 典子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00310251)
小林 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
叶谷 由佳 山形大学, 医学部, 教授 (80313253)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / コミュニケーション / 排泄介護 / 介護困難感 / 通所介護施設 / 入浴介護 / 介護方法 |
研究概要 |
研究目的:認知症対応型通所介護施設(通所施設)でケアを提供する介護スタッフが、入浴・排泄介護困難の問題を解決する方法を明らかにし、介護困難感の緩和に至る介護方法を習得する。 研究方法:調査協力の同意を得たA通所施設のスタッフ10名を対象として研究者3名が事例検討会に参加し、入浴・排泄介護困難の3事例について事例検討会を継続(5回)する方法で介入研究を実施した。介入内容は、研究者からの情報提供、事例分析による検討方向性示唆、ケア方法助言等であった。評価方法は、介入前後にアンケート調査を実施し変化を検討した。調査内容は、入浴・排泄介助時のケア困難感(VASスケール)、仕事意欲尺度(中谷安寿他、2009)、コミュニケーション尺度23項目(山田紀代美、西田公昭他、2007)、困難感をもたらす状況の変化等であった。 結果:スタッフは女性6名,平均年齢38.4±13.2歳、資格(複数回答)はヘルパー2級5名で最も多かった。介護困難感については、介入後に困難感が有意に低下し、入浴中央値が57.5(前)、25.0(後)p<0.05、排泄55.5(前)、35.5(後)p<0.01であり、事例別についても、2事例の入浴困難感が、1事例の排泄困難感が有意p>0.05に低下したコミュニケーション尺度では、「相手が気を悪くしないように敬語や丁寧な言葉を選んで使用する」「はい、いいえで答えられる質問に言い換える」など6項目について介入後に有意な技術得点の低下が見られた。対象の介護困難感は緩和し介護方法の理解が高まったにもかかわらず、コミュニケーション技術得点の低下がみられたのは、事例の個別性に対応した言語的、非言語的コミュニケーション方法の習得が、認知症者への一般的コミュニケーション技術とは一致しない側面のあることを示唆していると考えられる。本結果は介護現場における職場研修の方法を開発するうえで、有用な知見となる。
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