研究課題/領域番号 |
19592574
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
守村 洋 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (60310075)
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研究分担者 |
河村 奈美子 札幌市立大学, 看護学部, 助手 (50344560)
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キーワード | 精神障害者 / セルフヘルプ・グループ / empowerment / すみれ会 / エスノグラフィー / 精神保健福祉 / フィンランド |
研究概要 |
本研究は国内や先駆的な海外の福祉国家における精神障害者のセルフヘルプ・グループ、精神障害当事者個人のpower、セルフヘルプ・グループのempowerment、そしてそれらを支援する家族や専門職者のあり方について、現象学的アプローチ及びエスノグラフィーを用いて明らかにし、我が国の状況と比較し、今後の精神障害者の自立と支援を発展するための基盤とする資料を作成することを目的としている。 平成19年度は、北海道札幌市内で1970年から活動を展開している北海道最大の組織力をもつ精神障害セルフヘルプ・グループ「すみれ会」でのフィールドワーク(参与観察)を主として行い、基盤セルフヘルプ・グループを考察した。定期観察以外にも例会やイベントにも参加し、多様な状況のもとでの精神障害者セルフヘルプ・グループを描写している段階である(エスノグラフィー)。その一部を学会発表(日本質的心理学会第4回大会、日本精神障害者リハビリテーション学会第15回名古屋大会)を行った。 また、国内でのセルフヘルプ・グループを比較対照するために、7月に開催された第12回精神障害者社会参加促進研修会、第23回北海道精神障害者回復者連合会総会に参加した。道内の精神障害者セルフヘルプ・グループの活動概略を把握すると同時に、参加者の発言から精神障害当事者のpowerと考えられる部分を、現在、抽出・分析している段階である。 さらに、国外での比較対照をするためにフィンランドの精神保健福祉関係者および精神障害当事者への聞き取り調査を行った。ヘルシンキ市委託で精神保健協会運営の「コイブラホーム」(2005年設立)では19人の急性期の当事者が社会復帰を目指しており、当事者のpowerを引き出そうとするスタッフの関わりを考察した。 精神看護領域でセルフヘルプ・グループを研究している希少な研究者である石川県立大学・谷本千恵講師との調整を密に行い、今後の研究の展開に向けての準備を進めている。
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