本研究の目的は、精神科急性期病棟に再入院した統合失調症患者が、退院後に安定した地域生活をおくれるように、「症状マネジメントの習得と愚者を支える支援体制確立を目指した再入院ケアプログラム(以下、再入院ケアプログラム)」を開発することである。 前年度に、症状マネジメントの習得に向けたケアとして43個のケア内容、地域生活維持に向けて支援体制を整えるケアとして35個のケア内容を掲げ、入院期間を3期に区分し、どの時期にどのケア内容を実施するかを表した「再入院ケアプログラム」試案を作成した。本年度は、この「再入院ケアブログラム」試案に沿ってケアを実施し、ケアプログラムの有効性を評価することを目的とした。具体的には、精神科急性期病棟を有する3病院で、病棟看護師に「再入院ケアプログラム」試案を参照しながら、再入院した統合失調症患者に対してケアを実施してもらった。そして「再入院ケアプログラム」で示すケア内容の文言と実際に実施された内容との整合性や、実施時期の一致性、クア未実施の場合の理由について、対象者の個別性・特殊性を考慮しながら研究者間で検討した。さらに「再入院ケアプログラム」のケア内容で類似した項目の整理や表現の修正、実施時期の修正を行い、より実用的なケアプログラムへの洗練化を行った。現時点ではまだ「再入院ケアプログラム」に沿ってケアを実施した患者の退院後6ヶ月までの追跡調査を残しており、今後その結果も含めて「再入院ケアプログラム」を評価する予定である。
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