米国における研究協力者を募集した結果、インディアナ州立大学から協力を得ることができた。簡易版尺度開発のための質問紙について、日米両国の精神障害者を対象に使用可能になるように、米国の研究者とともに数回連絡を取り合い、検討した。その結果、質問紙の人口統計学的な情報とリカバリーの程度を把握するアセスメントの視点で違いが確認されたため、米国で広く使用されているコロラド州退院アセスメントシート等を参考に、両国の日米の精神障害者に共通して仕える質問紙へと精選をはかった。 次に20年7月に、米国現地にて米国の研究協力者の在籍するインデアナ州立大学にて研究会議を開催した。またインディアナ州立精神病院やACT Center、Community Mental Health Centerに訪問し、米国での精神障害者と支援の実態を見学した。調査を進めるにあたって、状況理解を深めることが出来た。 これらの情報収集の結果、日米の調査には地域の医療福祉サービスを利用中の精神障害者を対象に、自記式質問紙に加えて病状尺度を追加して行う方針を決定した。そこで、再度質問紙の加筆修正を加えた。 そして日本における調査を第1段階とするために所属機関の倫理委員会に申請し、20年度の12月には承認を得ることが出来た。まずは日本におけるデータ収集のためのフィールドを開拓し、数箇所の作業所や生活支援センター等から協力を得ることが出来た。 また米国でのデータ収集に向けては、米国の研究協力者が、米国の倫理委員会IRAにかけるべく、ただいま準備を行っている。 更に20年度にはこれらの研究成果に関する報告として、精神障害者の社会参加自己効力感を促進する因子についての論文と、現在開発中の尺度に関する学会発表を行った。 20年度の活動は以上である。
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