研究課題/領域番号 |
19592584
|
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
松平 裕佳 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (40405064)
|
研究分担者 |
正木 治惠 千葉大学, 看護学部, 教授 (90190339)
天津 栄子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (30020027)
油野 聖子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30554878)
|
キーワード | 慢性心不全 / 後期高齢患者 / セルフマネジメント / 看護援助 |
研究概要 |
本研究は、慢性心不全を有し外来通院による療養を行っている後期高齢者のセルフマネジメントや生活管理の実態を調査し、セルフマネジメントを促進する看護援助を開発することを目的としている。 本研究に関連する国内外の研究動向を基に、我々は公立総合病院外来において、21名の後期高齢者の心不全患者に対し、心疾患を専門とする看護師(大学院CNS課程修了)により、慢性心不全患者のセルフマネジメントの実態とニーズの高い課題に関する情報提供を行い、フォローアップを実施した。そこからセルフマネジメントを向上させる能力の要素として6つの看護アプローチを取り出し、「高齢者のための慢性心不全セルフマネジメントプログラム」を作成した。プログラム内容は、セルフマネジメントの実態における日常生活の特徴を把握し、セルフマネジメントの実態から取り出されたセルフマネジメント課題への看護援助を行い、実践した生活の振り返りによるセルフマネジメント課題を評価することを一連の看護援助とし、外来受診日(1回/月)に3回にわたり実施する。 平成21年度は、循環器科外来に通院する慢性心不全を有する後期高齢患者10名(平均年齢84.7±6.3歳、男性5名、女性5名)を対象に、プログラムの試行および適用を行い、その有用性を検証した。結果、プログラムに参加した慢性心不全を有する後期高齢患者の自己の実践目標に対する取り組みや振り返りから、日常生活における行動や発言の内容に変化を認めた。後期高齢慢性心不全患者が看護師と共に、生活を振り返り、取り組んだ過程を共有することにより、病状や体調を維持するための生活調整への取り組み内容、提示した自己管理方法に関する行動の変化、そして高齢者個々の役割遂行への支援や、生きてきた歩み・積み重ねてきた経験への支持、家族内サポートの強化に関する意識の変化につなげられたことから本プログラムの有用性が示唆された。
|