研究課題/領域番号 |
19592588
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
比嘉 勇人 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70267871)
|
研究分担者 |
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00342139)
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70331650)
|
キーワード | 患者看護師関係 / かかわり / 対人援助 / ストレス / スピリチュアリティ |
研究概要 |
看護師用の対患者under-involvement尺度(UIS)の開発を目的として看護師288名を対象に「UIS原案25項目」および「職業コミットメント尺度8項目」「職務コミットメント尺度10項目」「組織コミットメント尺度9項目」を使い質問紙調査を実施した(回収率74.0%)。under-involvementの定義は「関係性を深めないように可能な限り対象に関与せず、心理的距離を一定に保とうとすること」とした。200名の有効回答(有効回答率93.9%)を使い検討した結果、以下のことが明らかとなった。 1.項目分析および探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)後、3因子構造の10項目版UISが採択された(因子寄与率52.8%、因子間相関係数0.46〜0.50)。 2.各因子は、第1因子:看護師自身の気持ちやプライバシーなどを患者に教えようとしない『非自己開示』(4項目)、第2因子:患者の内的世界に看護師自身からかかわろうとしない『不関与』(3項目)、第3因子;患者との関係性を固定化しようとする『固定的関係』(3項目)、と解釈された。 3.UISと理論的な関連性があると考えられる「職業コミットメント」との相関係数がr=-0.22(p<0.01)を示したことから、UISの収束的妥当性が確認された。 4.UISと異なる構成内容と考えられる「職務コミットメント」との相関係数がr=-0.08(p>0.05)を示し、また「組織コミットメント」との相関係数がr=-0.08(p>0.05)を示したことから、UISの弁別的妥当性が確認された。 5.UISの信頼性(内的一貫性:Cronbachのα)については、10項目全体がα=0.82、『非自己開示』がα=0.77、『不関与』がα=0.73、『固定的関係』がα=0.76を示したことから確認された。 以上より、UISは使用可能な尺度と判断された。
|