研究概要 |
1.大阪府北部に位置する医療施設からは在宅酸素療法(HOT)患者8人,HOT移行前の準慢性呼吸不全患者3人,大阪府南部の医療施設からはHOT愚者7人,HOT移行前の準慢性呼吸不全患者2人の合計20人から研究協力の承諾を得ることができた。2009年3月までを目標に,2008年6月〜8月から追跡研究を順次開始した。 2.北部の医療施設では,本人の申し出による中止が2人(HOT患者,9月と12月),入院の長期化による中止が1人(HOT患者,9月)見られた。大阪府南部の医療施設では,HOT患者が7月に死亡したため1人が途中終了した。 3.気温の曝露関連では,室内に設置した温度湿度センサーによるデータから,曝露温度の個人間変動が非常に大きいことが示された。例えば2008年7月20日から26目までの1週間において,大阪北部のある集合住宅の寝室(居間兼用)の平均温度は32.1℃と非常に高温であったのに対して,1kmも離れていない別の集合住宅では環境調整が適切に行われていたので,26.6℃と5.5℃も低値であった。このことはAMeDASのデータから個人の曝露温度を推測することに限界があることを示唆するものである。 4.健康関連の事象では,対象者に高齢者が多いことから,転倒による骨折で長期入院したため研究から離脱した例や,喘息の悪化による入院例,気胸による入院例,医師が指示したように酸素を吸入しないことによる酸素飽和度の低下例が見られた。
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