本研究の目的は、産後の女性と、産後の女性を取りまく専門職および家族や地域社会の人々が利用できる「インターネットを利用した周産期メンタルヘルスサポートプログラム」を開発し、その有用性を評価することである。 ホームページは、「妊産婦用支援サイト」、「周産期メンタルヘルスに関する家族・一般向けページ」、「周産期メンタルヘルスに携わる看護専門職用ガイドライン」の3つから構成されるものとした。 (1)ホームページの開発 (1)それぞれのページについて筆者が行った先行研究および周産期メンタルヘルスに関する文献をもとに原案を作成し、(2)助産師、保健師、精神看護専門看護師、精神科医、産科医等の専門家および産後うつ病の体験を持つ一般女性に協力を得、妥当性を評価し、原案を修正してweb上に公開、さらに(3)周産期メンタルヘルスに関わっている助産師、保健師を対象に質問紙調査を行い、表面妥当性、有用性を評価する。その結果に基づいて修正版を精錬し、(4)webにアクセスし、かつ研究協力に同意した者を対象として内容妥当性、表面妥当性、有用性の調査を継続することとした。 (2)周産期メンタルヘルスに携わる看護専門職用ガイドラインに基づいた教育プログラムの開発 (1)周産期メンタルヘルスに関わる看護職が、それに関する知識・技術をより効果的に習得することを目的として、「看護専門職用ガイドライン」をもとに教育プログラムを作成する。(2)保健センターに勤務する保健師、助産師、および産科に所属する助産師、看護師で教育プログラムへの参加および調査協力に応じた人を対象として、教育プログラムを実施し、事前・事後調査、およびグループインタビューを通して教育プログラムを評価検討する。その結果をもとに教育プログラムを精錬することとした。
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