研究概要 |
児童相談所における児童虐待(以下、「虐待」とする)に関する相談件数は、年々急激な増加を示し平成20年には約42,000件となっている。さらに、厚生労働省で実施された虐待による死亡事例の分析では、事例の多くは乳幼児で、虐待による死亡を防止するには乳幼児期の支援が重要とされている。 虐待の対応において被虐待児や養育者への支援だけでなく、虐待が発生する前に予防的に関わることの重要性が認識されてきている。虐待は育児の問題が最も悲惨な状況に陥った状況であり、予防的に関わるには育児を中心に支援していくことが有効とされている。 そこで、本研究は以下のことを明らかにし、乳児早期からの育児支援の方法について検討する基礎資料を得ることを目的とする。 (1)4か月、1歳6か月の時期にわたる縦断研究で、各年齢における母親の育児不安とその関連要因の実態を明らかにする。 (2)4か月、1歳6か月時点の母親の育児不安の変化の実態を明らかにする。 (3)都市部と郡部の2か所で同時に調査を行うことで、都市部と郡部に応じた育児支援を検討する。 なお、調査を実施するにあたっては、和歌山県立医科大学倫理委員会の承認を得て行う。
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