研究課題/領域番号 |
19592595
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
坂野 純子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70321677)
|
研究分担者 |
二宮 一枝 岡山県立大学, 教授 (70347607)
吉永 茂美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (30305776)
山崎 喜比古 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10174666)
石橋 朝紀子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (80305838)
小林 美智子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (80316174)
|
キーワード | sense of coherence / 前期思春期 / 尺度開発 / 国際比較 / ストレス対処能力 / 社会関係資源 / ソーシャルキャピタル / 信頼感 |
研究概要 |
本研究は、思春期児童のメンタルヘルスの維持・増進に寄与する生活環境整備のための指針を得ることをねらいに、特に地域、家庭、学校において取り結ばれる人間関係に焦点を当てて、それらが子どものストレス対処能力SOCにどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的とした。 調査は、日本と中国の小学校5年生と6年生の前期思春期児童を対象に、自記式による質問紙調査を実施した。日本は1648組、中国は1154組から回答を得た。子ども用SOC、生活習慣、家族内の意思決定への参加経験、自覚症状などに関するデータを得た。順一逆翻訳の手順に従い作成し、日本と中国の児童用SOCスケールを作成し使用した。収集されたデータに基づき、子ども用SOCスケールの信頼性、因子構造と因子不変性、構成概念妥当性をそれぞれ検討した。分析の結果、確認的因子分析の結果、Antonovskyらによって仮定された3つの因子(有意味感、把握可能感、処理可能感)から構成される因子構造のデータに対する適合度は良好であった。このことから子ども用SOCスケール得点と自覚症状のあいだにそれぞれ理論的に予測された有意な関連が認められ、子ども用SOCスケールの構成概念妥当性と交差妥当性が支持された。重回帰分析の結果、地域における子どものSOCの育成要因として、家族や近所の人々からなる私的組織に対する信頼感が高いほど、異世代間の交流頻度が多いほど、公的組織に対する信頼感が高いほど、地域におけるサポートネットワークが多いほど、子どものSOCが高い傾向にあることを示唆する結果が得られた。
|