研究課題/領域番号 |
19592604
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
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研究分担者 |
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80341783)
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 講師 (00275778)
工藤 奈織美 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50315553)
船迫 香 自治医科大学, 看護学部, 助教 (60406171)
青木 さぎ里 自治医科大学, 看護学部, 助教 (90438614)
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キーワード | 看護学 / 公衆衛生 / へき地 / 保健師 / プライオリティ / 離島 / 山村 / 過疎 |
研究概要 |
本研究の目的は、離島・山村過疎地域における行政看護管理機能からみた保健師活動のプライオリティに関わる判断の根拠となる視点と判断に影響する要因を明らかにすることである。本年度は、保健師配置数が1〜2人である、離島一村(A)、山村過疎地域一村(B)、保健師配置数が3人以上である、離島一町(C)、山村過疎地域二村(D)の保健師へ半構成的面接調査等を行い、保健師活動のプライオリティに関わる判断の枠組みを検証、精錬した。データ収集項目は、2000年度から2007年度の新規事業等と保健師の判断により中止・変更・委託等した保健事業等について、その契機、判断根拠となった考え方や情報、判断に影響したこと、判断内容と行為、判断の評価とした。判断根拠となった考え方、判断に影響したこと、判断内容と行為、判断の評価を質的に整理・分類し、AとC、BとD,A・CとB・Dを比較し、保健師活動のプライオリティに関わる判断の考え方、判断に影響する要因、判断の視点の共通点と相違点を分析した。 その結果、共通点として判断の考え方には「予防的意義の高い活動の強化」「地域の生活文化を考慮した活動展開」「住民個々に密着した活動の重視と維持」「利用・参加しやすさと効率を考えた活動展開」「関係機関との連携や委託による保健活動の強化」「住民側の協力者の育成」等があった。判断に影響する要因には「住民の交通手段」「住民の医療サービスへのアクセス」「保健師のマンパワーの変化」等があった。判断の視点には「医療サービス資源が手薄になり保健サービスでカバーすべき点」「保健師活動の不十分な点」「旧住民か、新住民か」等があった。 離島村と山村過疎町村の相違点として、判断の考え方には「各機関の役割に関わらずいざとなったら町村で対応(離島)」「保健師自身が他職種の役割も担う(離島)」があり、判断に影響する要因には「気候」「保健師の確保しやすさ」があり、判断の視点には「島外の機関が島に来るまでの間の町村の対応内容」「近隣町村と協力し合って展開できる事業(山村過疎)」等があった。
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