研究課題/領域番号 |
19592604
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
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研究分担者 |
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80341783)
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 講師 (00275778)
工藤 奈織美 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50315553)
小川 貴子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (50450002)
島田 裕子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (40556180)
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キーワード | 看護学 / 公衆衛生 / へき地 / 保健師 / プライオリティ / 離島 / 山村 / 過疎 |
研究概要 |
本研究の目的は、離島・山村過疎地域における行政看護管理機能からみた保健師活動のプライオリティに関わる判断の根拠となる視点と判断に影響する要因を明らかにすることである。今年度は、平成19~20年度に実施した質的調査から抽出されたプライオリティに関わる判断の根拠となる視点と判断に影響する要因に基づき、調査項目と選択肢を検討し、郵送による自記式質問紙調査を実施した。対象は、離島・山村過疎・特別豪雪地域である全国の市町村から無作為抽出した75市町村(回収数20、回収率26.7%、以下、全部へき地とする)、同様に一部に離島・山村過疎・特別豪雪地域を有する55市町村(回収数22、回収率40.0%、以下、一部へき地とする)、離島・山村過疎・特別豪雪地域を有しない関東の一県の市町村27市町村(回収数14、回収率51.9%、以下、へき地でないとする)、計157市町村(回収数56、回収率35.7%)を対象とした。調査項目は、(1)新規事業や新たな活動の開始、(2)中止した事業・活動について、判断根拠となる視点を選択肢とした『理由』と、影響する要因を選択肢とした『判断や実施に影響したこと』等を調べた。(1)の分析対象となった事業数は全部へき地41、一部へき地58、へき地でない35、計134であり、(2)は全部へき地20、一部へき地30、へき地でない17、計67であった。 その結果、質的調査から抽出された判断根拠となる視点10点のうち、(1)の上位に挙がったのは、全部へき地とへき地でない市町村では「A高まる住民ニーズを充足する事業・活動の追求」「B住民の利用・参加しやすい事業等の追求」「C生活個々に密着した活動を維持・重視」、一部へき地の市町村ではB、C、そして「D効率のよい事業・活動展開の追求」であった。(2)について上位に挙がったのは、全部へき地とへき地でない市町村では「G地域の文化・習慣を考慮した事業・活動の追求」とBであり、一部へき地の市町村ではBとDであった。質的調査から抽出された判断に影響する要因11点のうち、(1)の上位は、全部へき地では「a住民の保健サービスへのアクセス」「b医療福祉等の関係機関との距離」「c住民側の保健活動協力者の状況」であり、一部へき地ではaと「d保健福祉分野以外の行政分野の事業目的」「e事業の安定性」であり、へき地でない市町村ではa、c、eであった。(2)の上位に挙がったのは、すべてにおいて「f保健福祉事業の事業目的の重複」であった。
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